13年前から毎週訪問してた患者Tちゃん
来月に施設入所が決まった・・・
Tちゃんと言っても70過ぎのじじいだけど
生後間もなくの病気で全身が麻痺してしまった。
今みたいに福祉制度が充実してない昭和20年代
母ちゃんは息子の障害を自分の責任だとして
誰にも頼らず全て面倒を見ていた。
父ちゃんと二人して興したばかりの商売をきりもりしながら
母ちゃんは必死に息子の世話をし、そして働いた。
「この子がいる限りあたしゃ死ねないよ、」が口癖だった母ちゃん
もうじき100歳になるというのに頑張ってきたんだ
でもね、もう限界・・・
親子別々の施設、70年一心胴体だった親子は
来月初めて別れ別れになりそれが最後のお別れになる。
Tちゃんさみしくなるな、母ちゃんとも逢えなくなるなんて・・・
俺はねあんた達親子に出会えて嬉しかったよ
無上の愛ってのを教えてもらった。
殺伐とした寒々しい事件ばかりの世の中で
金には変えられないものがあるんだな!
Tちゃんせめてもの親孝行
母ちゃんより1日でも長生きしろよ
先に逝っちまったら承知しねえぞ!